STが最低限押さえておくべき「細胞」についての解剖生理の知識をめちゃくちゃ簡潔にまとめました。

  • イメージが付きづらくてよくわからない
  • 臨床場面で知識として使用する場面が少なくあまり理解できていない

という方向けに、

言語聴覚士が最低限押さえておくべき「細胞」についての解剖生理の知識をめちゃくちゃ簡潔にまとめました。

細胞とは

細胞とは、ウイルスを除くすべての生物体の構成単位です。

外界と一枚の膜(細胞膜)でさえぎられた構造をもち、分裂によって増殖(細胞分裂)します。一個の細胞からなる単細胞生物と複数個の細胞からなる多細胞生物に分類されます。ちなみに、人間は、およそ70兆個の細胞からなる多細胞生物です。



細胞の構造

1つの細胞を拡大すると以下の画像の様な構造となっています。

細胞を作ってい要素について1つずつみていきましょう。

中心体

中心体は、中心小体 2 個から構成されていて、その周囲には中心体マトリックス(結晶構造を持たない物質の構造体)というものが存在します。中心小体は、細胞分裂のときに細胞の両極に移動し染色体を引き寄せます。

細胞膜

半透明で、溶媒や低分子イオンは通過させますが、高分子溶質は通過させない膜となっています。

核膜

真核生物の核を細胞質から隔てている生体膜で遺伝物質を内包しています。内膜と外膜からなる二重の脂質二重層構造をとり、外膜は小胞体とつながっています。

ヒトの核の中には23対(46本)の染色体があります。そのうち44本は常染色体、残り2本は性染色体です。 性染色体にはXとYの2種類があり、女性の場合はX染色体が2本、男性はX染色体とY染色体が1本ずつとなります。

また、その染色体の中にはDNA(デオキシリボ核酸)が細かく折りたたまれ蓄えられ、二本鎖(二重らせん)の構造で2本のヌクレオチド鎖が平行に並び安定しています。

ゴルジ体(ゴルジ装置)

タンパク質に糖などを付け加えて細胞表面に運べるようにします。(=ライゾーム生成)

ライゾーム

加水分解する酵素を多く含んでいます。(ごみ処理の役割)

ミトコンドリア

ATP(アデノシン三リン酸)を産生します。

粗面小胞体

リボソームが付着しタンパク質を合成します。つわりや臓器移植語の拒絶反応はこのタンパク質合成がうまくいかないことで起きます。

滑面小胞体

ステロイド合成、イオン輸送・合成、グリコーゲン代謝を行います。

ヒトを作っている栄養素

生体が機能を維持するために体外から接種する物質のことを指します。

糖質(炭水化物)

エネルギー源として最も重要です。

血中グルコース(血液)は身体の各組織に取り込まれ、エネルギーを供給します。肝臓や筋肉ではグリコーゲンとして貯蔵できます。種々な生理活動性をもつ糖質、核酸、アミノ酸、脂質の合成に利用されます。

脂質

他の栄養素に比べて高いエネルギーを供給します。

脂肪細胞にエネルギーを大量に貯蔵できます。細胞膜の主成分で、ステロイドホルモンなどの原料になります。細胞内のシグナルを伝達したり、物質運搬の働きもあります。

タンパク質

身体を構成する多種多様のタンパク質の原料となります。

多種多様の生体機能に関与し、エネルギー源としても利用されます。

ビタミン

生体の機能に不可欠ですが、エネルギー源ではない有機物です。

主に物質代謝の補酵素として作用します。水溶性と油脂性があり、大部分は体内で合成できません。

無機質

多量元素と微量元素を指します。

骨や歯、体液、ビタミンやホルモン、核酸の構成成分です。体内では合成できません。

【ちなみに】iPS細胞とは

iPS細胞人工多能性幹細胞(iPS細胞:induced pluripotent stem cell)のことです。

体細胞への4種類の遺伝子の導入による、分化万能性と自己複製能を持たせた細胞で、京大・山中伸弥教授によりマウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から作られました。

患者自身からiPS細胞を樹立する技術が確立すれば、拒絶反応のない移植用組織や臓器の作製が可能となり、難病に対しその病因・発症メカニズムを研究し患者さま自身の薬剤の効果・毒性を評価することも可能になるといわれています。

まとめ

以上、「言語聴覚士が最低限押さえておくべき「細胞」についての解剖生理の知識をめちゃくちゃ簡潔にまとめました。」でした。

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