このページでは、
前言語期とは何なのか、
具体的にはどんなものなのかを
月齢別にお伝えします。
目次
前言語期とは
0ヶ月〜12ヶ月は、
初語が出現するまでの時期で
前言語期の段階です。
視線と発声と身振りが主の
言語発達のベースとなる大切な期間です。
前言語期では、以下の内容が目標となります。
- 適切な母子関係の確立
- 生活リズムを整える
- 聞く力を育てる
- 因果関係の理解を育てる
- やりとりを楽しみ、応答できる
これらのことを頭に入れながら、読み進めてくださいね。
0〜3ヶ月
- 人間の顔や音声、Speech等への関心:相互同期性
- 母親の声を好む(母>女性>父)
- 目の前のモノをじっと見つめて、動くと追いかける:追視(1ヶ月ごろ)
- 手を開く(2ヶ月ごろ)
- クーイング(2ヶ月ごろ)
- 反射的なほほえみ:生理的微笑(3ヶ月ごろ)
- 敏感に養育者の心の世界を感知していく:第一次間主性
- 1ヶ月頃から音がする方向に顔を向ける(可聴:60-70dBHL)
60-70dBHLは、普通の会話〜掃除機のくらいの大きさの音が聴こえてるということ。
お腹の中にいるときも音は聞こえているよ!
2〜3ヶ月 乳児期
- 人の顔や声に反応するほほえみ:社会的微笑(3ヶ月ごろ)
- 発声(クーイング)、共鳴動作が出始める(2ヶ月ごろ)
- 凝視や表情を用いたやり取り:原会話(2ヶ月ごろ)
- 色覚が発達してくる
原会話は、親と乳児が
注意をお互いに向け合う社会的相互作用のこと。
対面状態で行われることが多く、
見つめること、触れること、発声することが関わり
基本的な情動を表現し共有するのに役立ちます。
また、原会話は
明瞭な順番交代(ターンテーキング)の構造を
もっています。
原会話は、言語習得の基盤になるものです!
でも、嫌なときには継続しないものです。
快・不快、で言うと、「快」なのです。
3〜6ヶ月 乳児期 「クーイングと喃語の移行期」
- 首がすわる:定頸(3ヶ月ごろ)
- 顔に布をかけられて深いを示す:顔布かけテスト
- 規則性や驚きを楽しむコミュニケーション:いないいないばあ
- 親しい人だけでなく周りの環境にも興味を示し始める:プリヘンジョン(手を伸ばす)
- 3次元的な空間を認知
- 物の永続性を獲得:注視(物を見続けることができる)
- 人見知りし始める:視力 0.04-0.08
- ビスケットなどを自分で持って食べる(5ヶ月ごろ)
- 鏡に写った自分の顔に反応する(5ヶ月ごろ)
- 喃語が始まる(6〜8ヶ月ごろ)
- 共同注意の萌芽
- 歯が生え始める(7ヶ月ごろ)
- 独坐(8ヶ月ごろ)
視力の発達に伴って、
母親以外の他人の判別が可能になり、
人見知りがスタートします。:カテゴリー化
8〜12ヶ月 乳児期 「子どもからのコミュニケーションの始まり」
- 母親の表情から察したりする:社会的参照(9ヶ月ごろ)
- 独坐(8ヶ月ごろ)
- ハイハイ(9ヶ月ごろ)
- 追随凝視
- 物のやりとり
- 他者の注意を引き付ける行為
- 手さし、指さしの萌芽
- 称賛や承認を求める
- 共同注意や三項関係の成立=指さし(要求を間接的に伝えられる)
- 相手の意図を共有しながら、
人との関わりと物との関わりを統合させ、
物を人とのコミュニケーションの中に
取りこみだす:第二次間主観性 - ある物を別のものに置き換えて遊ぶ:象徴遊び
- ハイハイ
- 初語(10ヶ月ごろ)
前言語期をまとめると・・・
ことばの土台になる大切な段階です。
この土台ができていないと、
初語の段階になかなか進むことができません。
でも、赤ちゃんはそれぞれ成長のペースがあります。
大切なことは、赤ちゃんのスピードに合わせた関わりです。
以下の目標の達成を目指して、
うまくいくときもあれば、
うまくいかないときもあると思いますが、
どれも無駄にはなりません。
ぜひ、たくさん関わって
楽しい時間をすごしてくださいね。
- 適切な母子関係の確立
- 生活リズムを整える
- 聞く力を育てる
- 因果関係の理解を育てる
- やりとりを楽しみ、応答できる
なかなかスムーズにいくものではありませんが、
目標があると少し道が具体的になるかな、と思いましたので、
今回記載させていただきました。
この目標は、言語獲得のための基盤づくりのためのものです。
万が一、初語の遅れが気になっている場合は、
この基盤が整っているか考えてみると良いかもしれません。