こんにちは。
前回に引き続き、
以下の症例報告の書き方を
お伝えしていきますね!
⑨ 国際生活機能分類(ICF)
⑩ 訓練目標・訓練内容
⑪ 考察
⑫ おわりに・謝辞・参考文献
目次
⑨ 国際生活機能分類(ICF)
まずはICFが何なのかについてお話します。
国際生活機能分類(ICF)とは?
国際生活分類(ICF)とは、
2001年から使用が始まった
「健康の構成要素に関する分類」という考え方です。
- 健康状態
- 心身機能・身体構造
- 活動
- 参加
- 環境因子
- 個人因子
の、6つの枠組みから構成され、
病院や施設などでは
患者さまの全体像を捉える際に活用します。
全体像を捉えることで
多職種連携が行いやすくなる、という利点があります。
また、生活機能上の問題は
誰にでも起りうるものなので、
ICF は特定の人々のためのものではなく
「全ての人に関する分類」です。
このように図に示すとわかる通り、
生活機能である「心身機能・構造」「活動」「参加」の
各レベルや環境因子との間には
相互作用があると考えるのが特徴です。
患者さまご本人を含め、患者さまに関わる全ての人に理解できるようわかりやすい用語を使用する、というのもポイント!
各項目と具体的な書き方
健康状態
病気や怪我、障害の有無、体調の変化として肥満や妊娠、加齢など。
#1 左被殻出血
#2 高血圧
#3 高齢
心身機能・身体構造
生命維持に直接的に関わる機能や構造のこと。
【肯定的側面(促進因子)】
#1 意識明瞭
#2 認知が保たれている
#3 摂食嚥下機能良好
【否定的側面(阻害因子)】
#1 左半身麻痺あり
#2 左顔面神経麻痺あり
#3 左舌下神経麻痺あり
#4 注意機能障害あり
活動
生活上の目的をもって行う、具体的な行動のこと。
心身機能・身体構造の影響を受けているものを書き出す。
【肯定的側面(促進因子)】
#1 ADL・IADL自立
#2 リハビリテーションに積極的
#3 自主トレーニング実施
【否定的側面(阻害因子)】
#1 運動性構音障害あり
#2 左顔面神経麻痺あり
#3 発話明瞭度低下あり
参加
家庭や社会に関わり、役割を果たすこと。
活動の影響を受けているものを書き出す。
【肯定的側面(促進因子)】
#1 コミュニケーション面に支障なし
#2 会社への復帰に意欲的である
【否定的側面(阻害因子)】
#1 人前での発話に不安あり
#2 言い直し頻回
環境因子
その人を取り巻く人的・物的な環境すべてを指す。
人的環境:4人暮らしで、ご家族との関係良好。
物理的環境:持ち家で、階段や段差は多い。
コミュニケーションツール:口頭コミュニケーション
個人因子
年齢や性別、民族といった属性から生活の来歴や価値観まで含む広い内容。
60歳代女性・華奢で小柄な体型・車椅子使用・ コミュニケーション態度良好・前職 機織り・自宅復帰への意欲が強い・歌うことが好き・訓練に協力的であるが疲れやすい・嫌なことは嫌だとはっきり言う性格
症例報告では表にすることが多いと思います!
その際に「#(ナンバー)」という記号を使用します。
⑩ 訓練目標・訓練内容
訓練を実施するときには、
その患者さまの目標を設定し
その目標を達成するための訓練を
実施していきます。
⑪ 考察
まずは今回報告する目的と
症例の状態や症状の原因、
どんな訓練を実施したのか、
その結果どのような影響を及ぼしたのか、
症例から学べたことを記載していきます。
⑫ おわりに・謝辞・引用文献
おわりに(結論)
こちらは、
学生の場合は書かないことが多いように思います。
もし記載する場合は、考察の内容の要約となります。
謝辞
すでに感謝は何度も
症例の患者さまやバイザーを始め
スタッフの方々には伝えていると思いますが、
症例報告書は病院にも
提出されることが多いため、
改めて感謝を伝える、ということで、
記載することをおすすめします。
◯◯実習にあたり、評価及び訓練を担当させていただき、貴重な機会を与えていただいた患者さま、お忙しい中ご指導ご鞭撻いただきました◯◯先生をはじめ、◯◯病院リハビリテーション部の先生方、医療スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。
参考文献
著者名・編者名を
日本語の文献の場合は五十音順、
英語の文献の場合はアルファベット順に記載する。
日本と英語の文献がある場合は、
日本語の文献をローマ字変換し、
アルファベット順に記載します。
有意義な症例報告となりますように・・・!
前回の続き「⑨国際生活機能分類(ICF)」からお話します!